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2017/02/28 13:55

きじばとや店主 イイダです。


なんだか卒論の題名みたいになってしまいましたが(笑)、まさに考察と提案です。
皆さん、帯揚げって、帯の中に入れるとき、大変じゃないですか?
一番楽にしたい鳩尾近辺が、胸紐やら伊達締めやら帯枕のガーゼやら帯揚げやら、人によっては帯板の便利グッズの太いソーセージみたいのが入っていたりして(これは少数派とは思いますが)、そこに帯揚げをねじ込むのがもう、最後の最後に汗かいて・・・!
というお話を、良く聞きます。
イイダはちょっと工夫して、ここらへんを少し整理しているのでそんなにきつくはないのですが、皆様がおっしゃる「ここの、このへんを!どうにか・・・したいんですけど・・・フウフウ」という気持ち、よくわかります。(きじばとや着付けレッスンで相談が多いひとつは、帯まわりの処理と、帯揚げのきれいな結び方だったりします)

イイダの「ちょっと整理で楽になる」は、ここで書いてご説明するのはちょっと難しいので、それは置いといて。
そもそもですね、イイダはかねがね思っていたのですが。
帯揚げって、長すぎませんか?
市販のもので大体、150センチから160センチありますよね。
体形が人それぞれ、というのはわかりますが、それでもそんなにいらないでしょ!と、いつも思うのです。
「私、切っちゃうよ」という勇者の声も聞きますが、やはり切る勇気もなかったりして、今日もフウフウいいながらアイテム密集地域に「これも!これもここに入るからねっ!ちょっとみんなどいてっ!」と、グイグイ押し込むことになるわけですよね。
で、うまく押し込めなくて、帯揚げの結び目も帯揚げも「すいませーん、やっぱりみんなから、『ここもう満員でーす』って言われて、入れなかったみたいー」と浮き出てきて、気が付けば帯揚げがめっちゃ出てきて野暮ったくなってしまったり、押し込みすぎてしわができてしまったり、そんなところをさわりまくっていたら衿がくずれてきてしまったり。
「もう!最後の最後で全部台無しになっちゃった!!」っていうこともありますよね。

そこでです。
どうせ着物をほどいてはぎれにするのだから、自分サイズの帯揚げを作ろうかな~、とあれこれやっていたところ。
「あれ?もしかして、帯揚げってこの程度でいいんじゃない?」
というサイズに行きついたのです。
聞いてびっくり、言いますよ。
びっくりなサイズですよ。

長さ135センチ、幅15センチです。(小柄な方なら長さ130でも問題ないと思います)

皆さん、「15センチじゃ帯揚げには枕を包めないし・・・」とおっしゃいますが。
考えてみてくださいよ。枕、包む必要なくないですか??

帯揚げに必要なのは、帯枕を包んだガーゼを見えなくして、美しく整えるためですよね。
帯枕を支えるのはガーゼさんがやってくれてますので、帯揚げは、そんなにしっかり枕に巻き付いてなくていいんです。
つまり、ガーゼを隠せればそれでいいんです。
わかりやすいように、画像でご説明しますね。

今回使用したのは、帯揚げ(139×15)と、一般的な帯枕(幅9センチ、厚み6センチ)です。

1.帯揚げの上に、ガーゼに巻いた枕をのせます。

2.輪ゴムで帯揚げと枕を固定します。まったく包めていません。包む気すら感じません。

ですが、枕の位置に当て、ガーゼを前で締めて、その上から帯揚げを締めると・・・。
左脇からの画→  右脇からの画→  

左脇からの画像をご覧いただくとお分かりになるように、帯枕の上の方は、少し枕が見えているところもあります。
が、ここには帯がのっかってくるので、まったく見えない部分です。
そして肝心の、人の目にふれるところは、きれいにガーゼを覆えています。
幅が最小限なので、もたつかず、すっきりと結べ、帯の中に入るのは10センチ弱くらいで、するするっとしまえます。
なんなら長さを130にして、帯揚げは結ばず、重ねてくるりと結び目をかぶせたところで、そのまま帯の中にしまったっていいんです。(この方がさらにもたつきません)

このサイズでいいならば、例えば140センチに満たない反物幅のはぎれがあって、でも色も柄もすごく素敵なのに・・・!
というものでも、半分の幅に裁って繋いで、お好みの長さにしてしまえば使えるんです。
「途中で継ぐと、強度が・・・」という方もいらっしゃいますが、さっきも申し上げたように、枕はガーゼさんが支えてくださるので、帯揚げにそんな強度はいらないんです。
(っていうかそもそも、皆さん着付け教室で習ったと思いますが、帯揚げはしぼがあったり、絞りが入っていたりするので、ぐいぐい引っ張っちゃだめよ、と教わっているかと思います 笑)

実際、イイダはそうやって、はぎれを継いで使っているものもありますが、まったく問題ありません。
継ぎ目は帯の中に隠れますので誰にも見えませんし、表に出る部分は、幅15センチでもちゃんと三つ折りにして脇を通して前で結べますし、実際誰にも気づかれたこともありませんし、自分でも何の問題も良心の呵責も後ろ暗い気持ちも心の引け目も、まったく感じたことはありません。
むしろ、「なんでこんなに使いやすい帯揚げを、自分で作らなかったんだろう!」とすら思います。

ということで、いかがでしたでしょうか?
イイダの、『帯揚げに関する一考察と提案』。
この提案にご同意いただけた方には、帯揚げの可能性がさらに広がることかと思います。
なぜなら・・・『帯揚げに関する一考察と提案 ~その2~』 に、つづきます(笑)