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2016/04/04 13:48
こんにちは、きじばとや店主イイダです。
月末の仕入れからばたばたしておりまして、更新が滞っておりました。
さて。皆さんには、好きな着物ってありますか?
私が好きなのは、無地または飛び柄の紬です。色はきれいな色、または美味しそうな色。
着物のどこかに、はっとする色が使ってあるもの。
柄だと、去年の秋あたりから、空前の松ブームが自分の中にきておりまして(笑)、松の模様が入っている着物や帯を見ると、それだけでもうたまらなくほしくなってしまうという、自分でもよくわからないことになっています。
それから、鳥の刺繍。
雀なんかが刺繍されていると、頭の中で「いくらまで出せるだろう」みたいな計算がはじまり、本当にまずいです。
幸い(?)、上記のものは大抵どれも高すぎて手がでないため、まだ破産の危機はまぬがれておりますが・・・。
最初に書いたように、私は紬が好きなのですが、紬の中でもざっくりとした風合いのものが好きです。
その上、きれいな色となると・・・膨張色で張りのある生地の紬を、肩幅のある私が着ると、本当に体が大きく見えてしまいます。
現在、きじばとやの棚に載せているクリーム色の紬なんか大好きなのですが、これほど似合わないか!!というほど、私に似合いません。
くたっと体に馴染むまで着ればまた違うのでしょうが、その日が来るまで、自分に似合わない紬を着る勇気もなく、似合わない着物に使えるお金もなく・・・。一時は買い取ろうと思っていたのですが、泣く泣く棚に載せました。
これは着物にかぎらず、洋服でもあることですが、『好きと似合うはちがう』という、『おしゃれ悲しいあるある』のひとつですね。
でも、逆転の発想をすれば!
「もしかしたら、私が気にも留めていなかった着物たちの中に、私をすごく素敵に見せてくれる着物があるんじゃない?」
ということで、今は綸子に目を向けております。ミルクティー色の綸子小紋、いいですよね・・・。
ところで私の友人には、「とにかく派手派手しい着物が大好き」という人がいます。
アンティーク着物のような、強い色で大きな柄のものを見ると、必ず手を出してしまうのだそうです。
しかし悲しいかな、彼女が派手派手しい着物を着ると、全部演歌歌手みたいになってしまうのです。
彼女は毎回、「やっぱり演歌歌手みたいになる・・・」と言って、棚に戻しています。
同じように、「とにかくかわいいのが好きだけど、似合わない」という人もいますし、「粋な着物が好きなのだけど、なぜか毎回『極妻』になってしまう」とか、おもしろいところでは「グレーの綸子が好きなのに、着るとどうしてもサバみたいになる」という人もいます。
サバ・・・はよく分かりませんが、『好きと似合うは違う』って、本当に悔しいですよね。
そんなとき、『好きだけど似合わない』で終わらせず、発想を変えてみるのはいかがでしょう?
先ほど書いたように、『今まで気にしていなかった着物の中に、自分を輝かせてくれるものがあるはず!』という発想です。
着物は洋服と違い、お店がたくさんあって試着ができる、というものではありません。
呉服屋さんは高いし、置いているものも自分が試したいものとは違うし・・・。
そんなとき、私がおすすめするやり方は、『お友達同士でファッションショーごっこ』です(笑)
これは本当に楽しいです!
誰かお友達の家を会場にして、それぞれ数枚、着物を持ち寄って、みんなで羽織ってみる。これだけです(笑)
持ち寄る着物はリクエストしてもいいですし、「これ、あの人に似合いそう」と思うものを持ってきてもよし。
あるいは、「自分に似合わないから手放したい。誰か気に入ってくれるかな?」というのを入れてみてもいいかもしれません。
最初は「んー、私はこういうのは・・・」と思っていたものほど、羽織ってみると「あら!?」となることは、着物の場合、決して少なくありません。
本来、着るものは、『色々着ていくことによって、自分に似合うものを見つけ、自分の着方を見つけていくもの』のはずです。
ですが、着物はなぜかそうはならず、格だの名前だのなんだの正しい着付けだのが先行して、本来の楽しみが失われているような気がしてなりません。
着るもの、なのですから、まずは着ないとですよね!
お友達同士、着物ファッションショーごっこ。やってみませんか?楽しいですよ!!
あ、注意事項ですが、これをやると半日くらいあっという間に経ってしまいますのでご注意を・・・!