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2016/04/06 12:37

こんにちは、きじばとや店主イイダです。

このブログをご覧になっているということは、皆さんご自分で着物を着ることができる方々なのだと思います。
親御さんから習った、お友達から教えてもらった、着付け教室に通った・・・などなどの方法で、着物を着られるようになったのだと思うのですが。
・・・・・ぶっちゃけた話、着付け教室選びって、怖くなかったですか?
私は怖かったです(笑)



私は最初、本を見て独学で着物を着ていました。
しかし、年齢を重ねるにつれ、「これでいいのか?」と自分の着姿に不安を覚えることも増え、あるとき、「これじゃいけない、一度きちんとプロの目でチェックしてもらいたい、習い直したい!!」と思い、着付け教室に通うことに決めました。
しかし、決めたのはいいけれど、どこの着付け教室に通えばいいのか?それを探すだけで時間がすぎてゆきます。
「入会費無料!10回分レッスン料無料!着物も無料レンタル!」
すっっごく魅力的なのですが、どう考えても、会場代、講師料、レンタル着物のクリーニング代、着付け小物の費用・・・どこから出るんだろう?と考えるだけで、なんだか色々なことが見えてしまって、怖くて近寄れませんでした。
ちょっとネットで検索すると、「無料だからと行ったのに、色々売りつけられて結局教室代を遥かに超えるお金を使った」だとか、「毎回の購入勧誘とダイレクトメールに負けて、後半行かなくなってしまった」とか、「特殊な着付け器具を使う帯結びを習ったので、それ以外のやり方がわからず、自力でできない」とか、そんなコメントがたくさん並びます。
そもそも、着付けを教えるということは、着付けの技術を習得するだけではなく、人に教えるための勉強もしなければできないことなので、そこには必ず、決して少なくはない時間と労力とお金がかかっているはずなのです。それを全てタダだなんて・・・。
「タダほど高いものはない」という言葉があるように、きっとそれには何かの理由があるはず、と私は思いました。

着付けは習いたい、でもどんな先生がいいのか分からない。
お稽古代はちゃんと払うから、ちゃんと教えてくれる先生に習いたい!!

探して探して、探し疲れた頃に、偶然の流れから出会えた先生がとても素晴らしい先生だったので、私はお免状をいただいてからもずっと、先生から学びつづけています。
私はもともと、母や祖母から譲られた、丈の合わない着物や帯しか持っていませんでした。
それを先生は一切ダメと言わず、『持っているものをどう着るか』を教えてくださいました。なので私は、着付け教室1回目から、隠し紐だの何だのを使う、裏技ばかりを習ってきました。いつも他の生徒さんとは違うことばかりをやっていました。
キモノのけもの道ですね(笑)
でもそのおかげで、私は着付けの奥深さを知り、ますます着物が好きになりました。

そんなわけなので、きじばとやの着付け教室も、『私がほしかった着付け教室』を目指してやっています。
先生が私にしてくださったように、生徒さんにも同じように、無理を言わず、否定せず、実践的なことをお伝えしたい、と思ってやっています。そしてそれよりも、私が一番心がけているのは、『先生となっても、生徒さんと一緒に学び続ける』ことです。
先生の元でお稽古を続けることはもちろんですが、もうひとつあります。
きじばとや着付け教室の特色である、『本日のイイダチャレンジ』です。

『イイダチャレンジ』とは、生徒さんが着付けをやっている最中に、横で見ているだけでなく、私も隣で何らかのチャレンジをします。
チャレンジといっても、『いつも疑問に思っていること、不便に思っていること、不安に思っていること。だけどなかなか試せないこと』を実際にやってみる、という、ただそれだけなのですが(笑)、なかなか試すことってないじゃないですか?
「この紐、どのくらい緩くしめても大丈夫?着崩れない?」
「この緩さで裾を踏んだら、どのくらい崩れる?どうなる?どう直す?」みたいなことから、
「紐は何本まで減らせるか?減らした後はどうなるか?」などなど・・・。
チャレンジは成功することもありますが、「うわ!崩れた!やっぱりこれ、だめだったね!」となることもあります(笑)
生徒さんの前で着崩れた姿をお見せするのは格好悪いかもしれませんが、そうなったらそうなったで、「じゃあ、出先でこうなったら、どう直すかやってみましょう。手元にあるのは紐1本、クリップ2本。スペースはこれだけ。さあ、どうする?」という感じで、チャレンジ続行です。

現在、私のお教室は皆さんマンツーマンなので、お稽古仲間代わりといってはなんですが、そんな感じで私も一緒にお稽古しています。
もちろん、生徒さんのことはちゃんと見ていますし(笑)、ご希望によって、私が着物を着たり着なかったりもあります。
着姿を美しくするのって、学べば学ぶほど、奥が深く、終わりがこないものですよね。
「先生なのに、まだお教室に通われているんですか?」とはよく言われることなのですが、学べば学ぶほど、着れば着るほど、「これじゃいけない、これじゃ足りない」って思うんです。そして、学ぶことが楽しくなるのです。
皆さんが、そんな風に思える着付け教室に、通えていたら嬉しいです。
そして、きじばとやが、そんな風に皆様に寄り添える、いつまでもふらりと立ち寄れる、長いつながりを持てるお店になれたらな、と思います。

あ、余談ですが。
私の知人の中に、着付けを教えている人がいます。
その知人が、自分で着られることを隠して、ある大手の無料着付け教室に通ってみたそうです。(彼女いわく『潜入捜査』)
で、どうだったかと言いますと。
聞きしにまさる、恐ろしいところだったそうです(笑)
私も内容を聞いて愕然としました。1人、また1人と脱落して高額着物を・・・あまりの恐ろしさにフェードアウトする人・・・・。
そして最後まで粘って何も購入しなかった知人に向かい、講師の先生が豹変して・・・(怖くてこれ以上書けません)
やはり、タダより高いものはないようです。


あ、きじばとやでは着付けを習ったからといって、着物を売りつけたりはいたしませんのでご安心を(笑)!
その代わり、正当なお稽古代をちゃんといただきます。そして、売りつけたりはしませんが、きじばとやで気に入った着物があれば、試着していただけますし、割引にてお買い上げもいただけます♪(結局宣伝! 笑)