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2016/04/27 00:26
こんにちは、きじばとや店主イイダです。
皆さんは、着物を選ぶときにサイズはどのあたりを気にしてらっしゃいますか?
きじばとやでは、身丈、裄丈、前幅、後ろ幅、袖丈を表記しておりますが、せっかくですので、サイズの考え方・・・まずは今回は身丈について、書いてみたいと思います。
きじばとやでは、身丈、裄丈、前幅、後ろ幅、袖丈を表記しておりますが、せっかくですので、サイズの考え方・・・まずは今回は身丈について、書いてみたいと思います。
きじばとやの商品説明でも書いておりますが、一般的に身丈は、『身長のプラスマイナス5センチ』 なら着られる、と言われています。
が、実はもう少しいけます。(ご存知の方は多いと思いますが)
が、実はもう少しいけます。(ご存知の方は多いと思いますが)
体型にもよりますが、私は大体、マイナス7センチまでは、おはしょりを作って着られます。
骨盤のすぐ上あたりに腰紐を結び、帯を少し上気味に締めれば、なんとかおはしょりが出せます。
「腰の下のほうで腰紐を結び、帯を上気味に・・・」というのは、着物を着られる方なら皆さんご存知のことだと思いますが、これって自分の体型や、着物の生地によっても違いますよね?
そこをもう少し詰めてつかんでおくと、リサイクル着物を選ぶ幅が変わってくると思うのです。
ご自分の持っている着物の身丈を測ってみて、色々試してみてください。そうすると、「あら!この生地なら、この身丈まで、意外と着られる!」という発見があると思います。なんなら、お友達数人と着物を持ち寄ってみたり、リサイクル着物店でせっせと試着してみても良いと思います。
数字だけで判断するのと、かなりの違いが出るはずです。
リサイクル着物で、2~3センチの差は大きいです!選べる着物が増えるヨロコビ!!
そして、それでもどうしてもおはしょりが出ない、となったときは。
私は無理しておはしょりを出すよりも、対丈で着るのもいいんじゃないかな、と思うのです。
というのも以前、着物を着始めたばかりの頃に、身丈の足りないお気に入りの着物を無理して着たことがあるのですが、後から写真を見ると、どうも不自然なのです。
おはしょりに気持ちがいきすぎて、帯の位置がしっくりこない。全体のバランスがおかしくなってしまい、結局トータルの着姿はどこかバランスの悪いことになってしまいました。
私は無理しておはしょりを出すよりも、対丈で着るのもいいんじゃないかな、と思うのです。
というのも以前、着物を着始めたばかりの頃に、身丈の足りないお気に入りの着物を無理して着たことがあるのですが、後から写真を見ると、どうも不自然なのです。
おはしょりに気持ちがいきすぎて、帯の位置がしっくりこない。全体のバランスがおかしくなってしまい、結局トータルの着姿はどこかバランスの悪いことになってしまいました。
大事なのは、『おはしょりが何センチ作れるか』ではなく、『美しく素敵に装う』ことなのに・・・。
何度も書きますが、『着物』って、『着るもの』ですよね。
洋服だって、『袖をまくるときは何センチ』とか、『ズボンの丈はくるぶしから何センチじゃないとおかしい』とか、決まっていないのに、着物だけが変な決まりごとにガチガチに縛られてしまって、着物文化自体が息苦しくなってしまっていると思うのです。
洋服だって、『袖をまくるときは何センチ』とか、『ズボンの丈はくるぶしから何センチじゃないとおかしい』とか、決まっていないのに、着物だけが変な決まりごとにガチガチに縛られてしまって、着物文化自体が息苦しくなってしまっていると思うのです。
確かに、おはしょりがないと、腰まわりが美しくならないのかもしれません。そういうこともあるでしょう。
でも、私は見たことがあるのです。
遠くから、とても素敵な着物の女性が歩いてきて、その人の着こなし、着姿、センス、どれをとっても本当に素晴らしく美しい人でした。
なんてきれいなんだろう・・・と見ているうちに、「この人、ずいぶん背が高いな」と気がつきました。
それで、「それにしても、よくこんな着物があったな、きっと誂えたんだろうな」と思い、よくよく見ると。
対丈だったのです。
そんなことが気にならないくらい、全体が素敵なのです。
そのときに分かりました。『対丈は・・・』というのは、確かにそうなのかもしれません。でもそこは、腕でカバーできる範囲であり、絶対ではないのだと痛感しました。
そのときに分かりました。『対丈は・・・』というのは、確かにそうなのかもしれません。でもそこは、腕でカバーできる範囲であり、絶対ではないのだと痛感しました。
だって、おはしょりをしっかり作れた私より、あの人の方が何倍も素敵だったのですから。
何かの本で読んだのですが、もともと昔は女性も対丈で着物を着ていたとか。
それが、泰平の世になり、裕福さを示すものとして丈の長い着物が流行るようになり、そこで余った分を「はしょった」のが、おはしょりなのだと。
確かにこれだと、裾が擦り切れたりしても裾を詰められるし、そうやって妹や娘たちに譲ることもできるしで便利なこともあり、定着していったのでしょう。
つまり、『おはしょりナシの時代』から、『おはしょりアリの時代』という変遷があったのです。
着るもののスタンダードは時代とともに色々変わるのが当然なのに、着物は日常着から外れてしまったために、その時点での着物の着方が『現代の決まり』になってしまっただけなのです。
そして、着物を着る人が少ないために、着物文化はこなれることができず、スタンダードがガチガチになってゆくばかりなのではないでしょうか。
今の若い人たちが普通に着物を着ていたら、
「えー、いいじゃーん。おはしょりナシの方がすっきりしていいしー」
「おはしょりないとチョー便利だしー」
「おはしょり、なくていいよねー」
とかいう流れも出てくるのかもしれないようなしないような・・・。
いや、おはしょりどころではなく、
「アタシー、今日は着物ワンショルダー風に着てみたー」
「えー、それってチョーエロイ!」
「いいー、それってチョーイイ!アタシもやろっと」
みたいな、おはしょりどころじゃない流れが出てきて、もう誰も 『おはしょり何センチ』なんて気にしなくなる時代がくるのでは・・・。
などと、途中から完全に妄想が入っておりますが(笑)、でも、着るものって文化ですから、生き物なんですから、そういうものと思いませんか?
楽しんで、胸を張って、自分の着こなしで、装うもの。
私が雑誌で見た年配の女性は、「うちはもともと武家の家系だったので、私もいつも対丈で着ています。衣紋も抜きません。帯は半幅帯や兵児帯です。武家ではのんびり着物を優雅に着ることが大事なのではなく、有事の際にパパッと着られることが大事なので」とおっしゃっていました。
現代でそうそう『有事の際』もないでしょうが(笑)、そう胸を張っておっしゃっている薙刀の先生は、本当に素敵でした。
着物をワンショルダー風に着られると、ちょっと私も「どうかな」とは思ってしまいそうですが、ガチガチの決まりごとに息苦しくなって、着ることに勇気が必要なものなんて、楽しくないと思うのです。
そのために超えるべきハードルのひとつ、『おはしょり』。
もっと気楽に、超えてみたいですね。(でも実は私も勇気がなかったり 笑) ← 最後の最後に、説得力のない言葉!!