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2016/09/21 00:44

こんにちは、きじばとや店主イイダです。
今回は、着物の色についてお話ししたいと思います。


皆様は、きじばとやの商品説明に色番号が載せてあることにお気づきでしょうか?
その番号で、色見本をご覧になったことがありますか?
ご覧になった方がいてほしい・・・。
とてもとても苦労して色見本と着物を見比べて探しているので、だれか1人でもいいから、活用していてほしい・・・(涙)
先日、ふとそのことに思いがおよんで、「そうだ、色番号の活用法をブログに書こう!」と思ったのです。

着物に限らず、ネットで洋服や小物を購入する際、どこのサイトでも「お使いのパソコンやディスプレイによって表示のされ方が違うため、実際の色とは異なる場合があります」という但し書きがあるのを、ご覧になったことがあると思います。
着物の場合、さらに難しい問題があり、正絹・・・つまり絹は光を強く反射するため、自然光、室内光で大きく色が変わります。さらにそれをカメラで撮影すると、また色が変わって、さらにそれぞれのご家庭のパソコンで見ると、また色が変わって・・・と、実際に目にしている色とは、大きく変わってしまうこともあるのです。

人間の目というのはよくできていて、いろんな光のもとでの色を見たうえで、「これはこういう色」と認識するのですが、写真というのは一瞬一瞬を切り取るので、できあがった商品写真を見ると、そのときの太陽の光の入り具合や時間帯などで、「こんなに変わるの!?」というくらい、全然色みが変わってしまうことも珍しくありません。
よく、「実際の色はどれですか?」と聞かれることがありますが、「どれも実際の色」なのです。
そのくらい、着物は光によって表情を変えます。
が、そんな答えでは、「じゃあどの画像を参考にしたらいいの・・・」となるので、そのために、色名称と色番号を記載しているのです。

私がよく使っているのは、『和色大辞典』というサイトで、和の色がたくさんたくさん、たーーーーーくさん、載っています。
商品説明の中の色番号で検索をかけると、その色が出てきます。
それが、私が見た「この着物はこんな色」という色です。
和の色はほんとうに微妙で、ほんの少し赤みがかっていたり、黄色みがかっていたり、その上に灰色がうすくのった感じだったり・・・と、ほんの少しの色の加減で、違う印象になります。
鴇色と撫子色との違いなんて、似たような色なのに、それが着物の面積になると、大きな印象の差になります。
なので私は、「この色は、ひとことでは説明できないな・・」というときは、じーーっとじーーーーっとじーーーーーーっと着物を見て、スマホの画面で和色大辞典を開いて合わせて、「こっちかな、こっちの色かな、いやいや、これよりもう少し黄色が入ってるよな・・・こっちかな」と、一所懸命に色番号を探しているのです。

商品写真を撮影するために、きじばとやでも数台の照明器具を使って撮影していますが、やはり難しいです。
プロのカメラマンさんでも、「着物の商品撮影は難しい」と言われます。
きじばとやの機材を使って撮影してきた経験上では、結局は自然光が一番、皆さんのおっしゃる「本当の色」が出ると思います。(きじばとやの照明器具が安物だからなのかもしれませんが・・・)
実は、梅雨どきや秋雨どきなどに、きじばとやの新着アップが滞るのはそのためなのです。(スミマセン)
でも、天気の悪いときに撮った画像と、天気の良い日に撮った画像では、本当に色の出方が違うのです。
ネットでのお買い物での一番の不安は、『商品を直に見ることができない』ことだと思うので、なるべく皆さんのいう「本当の色」に近い商品画像を撮りたいと思っているのです。
その補助的役割として、色名称と色番号を載せています。「んー、この画像だけじゃ分からないなあ」と思われたときは、ぜひ、色番号で検索してみてください。
そうでなくても、ちょっと時間のあるときなどに見てみても、おもしろいですよ。
和色はとくに、色の名前がおもしろくて、それをのんびり見ているだけでも楽しい気分になります。
ちなみに私が好きな色の名前(色が好きなのではなくて、『色名称』)は、利休鼠(りきゅうねず)、海松色(みるいろ)、湊鼠(みなとねずみ)、蘇芳香(すおうこう)、月白(げっぱく)、鳥の子色(とりのこいろ)・・・、ああ、きりがない!!
『暁鼠(あかつきねずみ)』なんて、最高にかわいくないですか!?
しかも確かに、暁鼠って感じするんですよね・・・。

そんなこんなで、色番号。
イイダの苦労がにじんでいます。
一度でいいから、参考になさってみてください。着物のリクエストのときに、ただ「ピンクがいい」とか「青系がいい」とかじゃなく、もっとイメージを伝えるために、こういった色見本を使われるのもいいと思います。
その方が、その方の求めているイメージが分かりやすいので。

でも誰も参考にしなくても、きっと私はこれからも、和色大辞典を見ると思います。
好きなので・・・(笑)