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2020/03/09 10:26

こんにちは、きじばとや店主イイダです。


久しぶりの、告知とご挨拶以外のBlog記事でございます。
新しくきじばとやのお客となってくださいましたお客様から、「ブログも楽しみにしています!」と言っていただくことが多く、「そういえば最近は忙しさにかまけてブログを更新していなかった!」と気づきました・・・余裕がなくてスミマセン><

最近、「もしかして私は、着物が好きなのじゃなくて布と色が好きなのでは?」ということに考えつきました。
もちろん着物は大好きなのですが、着物ならではの色の奥深さがずっと好きだったのかもしれないなと・・・。


きじばとやはWebshopなので、皆様スマホやPCでご覧になっていらっしゃると思うのですが、色の再現性についていつも気になっています。
「実物に近いのはどの色ですか?」とお問い合わせをいただくこともあり、なるべく実物と同じ色でご覧いただきたいとは思うのですが、光の加減、季節や時間帯によってもカメラにうつる色は変わってしまいますし、それをイイダのPCで調整しても、お客様がご覧になるディスプレイによっても発現する色は変わります。
何人のカメラマンさんにも相談しましたが、こればかりはPC環境によるものなので、全員が同じ色を見ることはできないそうです。
よく雑誌などで「実際の色とは多少違う場合がございます」みたいな但し書きがありますよね。印刷物でもそうらしいので、さらに各自のディスプレイを通す以上は、どうしようもないことだそうです。
実際、イイダの仕事用PCと、自宅のPCではかなり色みが変わって見えますし、スマホでも微妙に違います。これらを統一することなど無理なのだ、とよくわかります。
なので、せめて基準をひとつ設けようと思いまして、画像処理をするPCは1つに固定し、さらに商品説明に記載する色については、1冊の色辞典を参考にしております。
イイダが参考にしている色辞典は ↓こちらです。

『定本 和の色辞典』
和の色について、豊富な写真、文学作品の登場例とともにわかりやすく解説しています。
掲載色数、1000色以上!



仕事で使わずとも、見ているだけで楽しくなる本です。
緑、紫、青・・・などとひとことで言えないのはもちろんのこと、淡い緑色の中でも青より、藍より、グレーより、黄色よりと様々な色があり、それらは明らかにひとつひとつ違います。その奥深さ、美しさ!
しかも、これだけの色が載っていても、「ああ、これらのどれにも該当する色がない!」ということもしばしばあり、なのできじばとやの商品説明は、いつもいつも長くなってしまうのです(笑)

どこの本屋さんにもある本ではありませんが、大きな書店に行かれることがありましたら、ぜひ手にとって見ていただきたい本です。
そして、「ああ、あの着物はこの色か」と一度見比べてみてください。今後、きじばとやの棚を覗きにいらしていただいたときの参考になるかもしれません。
ちょっとお高いですが、お手元にあると結構楽しい本です。

ちなみに、conicoのAKKOさんも同じ本をお持ちでして(ほかにも数冊、色やデザインに関する同じ本をお互い揃えております)、新しい帯留めやアクセサリをつくっていただくときは、それらの本を元にメッセンジャーでやり取りして、ああでもない、こうでもない、この色はどう?と、色のイメージを共有しています。
色の奥深さ、知れば知るほど楽しいです!

ちなみに、以前はWeb上での和の色辞典を参考にしておりましたが、PCによって大きく色が変わるということで今は参考にしておりません。
特に違った色のひとつが暁鼠(あかつきねず)で、PC上で見ると淡く美しい色なのですが、和の色辞典で見ると結構深い色なのですね。
『暁鼠』と名付けてしまった商品たちを今後どうしようか・・・と悩む日々です(笑)