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2022/04/18 09:15

昨年の年末に「でも、街着のコーデが一番難しいんです!」というお話について書きます・・・と書いたきり止まっておりました。スミマセン!!!

「最近きじばとやさんのブログが更新されなくて寂しいです・・」というお声もいただいておりますが、本当に本当にホントーーにすみません!!!忙しくて・・・、本当に・・・。すみません><

さてさて。コーディネートのご相談はよくいただくのですが、意外と皆さんが迷われるのは、小物類のようです。
「帯はなんとなくわかるんだけど、小物をどうしていいかよくわかりません」という声が多いです。

イイダの基本的な考え方は、

帯揚げ:着物か帯に沈む色。悪目立ちしないようにする
帯締め:着物や帯の中に入っている色を使う。この色を活かしたい!という好きな色があればそれを。帯から明度を2段階はずらす。
    帯揚げと帯締めはお揃いにしない。同系色になる場合は、明度か彩度をずらして、全く同じ色にはしない。
    
こんな感じです。もちろんここからあえてはずすこともありますし、「あえて」のコーデをつくることもあります。が、コーデに迷ったときは上記を意識されると馴染みやすくなりますし、大きな失敗はなくなりますので、押さえておくと良いかなと思います。

よく呉服屋さんなどで、帯揚げと帯締めが全く同じ色でセット販売されていることがありますが、セットでお使いになるのはおすすめしません。セットはあんまりイケてませんし(個人の感想です)、同じ色が真横に2本横切ると、せっかくの着物の縦のラインがぶった切られてしまうのです。しかも「このくらいの色じゃないと着物に負けるから」という謎理論でおすすめされるすんごい蛍光黄緑の帯揚げ帯締めセットなんかは買っちゃダメ、絶対。(そんな色、最近は売ってないか・・・)

帯揚げを馴染ませた例としてわかりやすいのは、こんな感じでしょうか。


着物は黒地に総柄です。帯にも織り柄が入っていますので、ここに無地をもってくるとうまくつながらず、帯揚げが悪目立ちしますし、着物と帯が馴染まなくなってしまいます。
そこで、黒地に絞りのはぎれを合わせました。このはぎれにはいろんな色が入っていて、しかも絞りなので模様がはっきりしていません。総柄のときなどにはこういうはぎれがとても活躍してくれます。
きじばとやでは市販の帯揚げ以外にも、はぎれを多く取り扱っていますが、こういうときには市販の帯揚げではなかなか難しいです。帯揚げにはないこういう色柄があるのが、はぎれの強みですね。


今度は逆に、帯揚げに主張させた例です。

この着物のブルーがとてもきれいだったので、ブルーを主役にしたいと思いました。帯揚げで差し色をするのはダサくなりがちで結構危険なのですが、同系色ということもあり、あえてのこのコーデです。
この色を主役にするために、帯はしっかりと引き締めます。が、帯を無地に近い黒の帯にすると、これまたはっきりしすぎてこなれません。そこでこの、地色の面積もそこそこあり、けれどこまかな柄の入った帯を合わせました。さらに帯締めですが、鮮やかな色の帯揚げを入れた代わりに、帯締めには主張させていません。ただし帯の色柄を引き立たせるためとコーデの引き算をするために、白銀に輝く三分紐といぶし銀の帯留めをつかい、色を加えないようにしました。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、帯揚げに何かをさせたときには帯締めには何かをさせない。というバランスは大事だと思います。特に帯まわりにはいろんなものが集中します。全員に「私素敵でしょ!!」「私!私を見て!!」「私の色!きれいでしょ!」とさせてしまうと、コーデの方向性がごちゃついてしまいます。誰を主役にするか。誰を引き立てたいのか。
「方向性をひとつに決める」。ここを最初に整理しておくと、コーデは格段にやりやすくなると思います。

コーディネートはあくまでも好みの問題ですので、必ずしも正解と言うものはないと思っています。自分が着て楽しい気分になれるもの。それが一番です。が、やはり迷うことはありますよね。そんなときは上記で書いたことをちょっと思い出してみていただければ、何かの指針になるかもしれません。

はーーー、やっと書けた!!