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2023/01/24 14:00

きじばとや店主イイダです。


よく質問されることのひとつに、着物の保管方法のことがあります。
「桐箪笥は持ってないのですが、きちんとたとう紙に包んでしまっています」という方も多いのですが、ではそのたとう紙をどのくらいの頻度で交換されているか、陰干しをどのくらいの頻度でされているかとなると、「ずっと放置です・・・」ということがほとんどです。
実際、昔の家屋とは家のつくりが違いますから、着物を吊るせる場所も限られますし、そうそう陰干しもできないですよね。たとう紙を買うのも出費ですしね。

わたくしイイダの場合ですが、ほとんどの着物はプラスチックの衣装ケースに保管しています。
ロングタイプのものでしたら、着物を畳んでいれるのにちょうど良いサイズですし、押し入れにも収納できます。
一部の大切な着物のみを和箪笥に保管していますが、普段づかいする着物たちはみんな押し入れの衣装ケースです。たとう紙にも包んでいません。
いいんですか!?と聞かれますが、紙というものは湿気を吸いますので、湿気を吸った紙が常に着物と密着しているのはカビが発生するもとになりやすいです。
仕入れの際に、大切に大切にたとう紙に包んで、包んで、包んで・・・そのまま保管されていたものを開くとカビだらけ、しみだらけ・・・という悲しいことによく遭遇します。

呉服屋さんなどで「必ずたとう紙に包んで保管してくださいね」と言われるのは、桐箪笥などがあり、きちんと陰干ししたりお手入れしたりする手間をかけられて、常にたとう紙を交換していくことができる、という前提のお話です。
気密性の高い現代の住宅で陰干しもせず、風も通さず、たとう紙を交換しないままでしたら、それはむしろリスクになります。

でも、桐箪笥なんてそうそう買えないし、置く場所もない・・・!
ですよね。
それならば、桐箪笥ありきの保管方法からシフトした方が良いです。
お手入れしやすく、風を通しやすい方法に。


衣装ケースの良いところは、すぐに取りだせることや、着物の状態を確認しやすいことろです。
引き出しごと出せば着物を取り出しやすいですし、全体に風を通しやすいです。一枚一枚陰干しする時間のないときは、天気の良い乾燥した日に、引き出しごと出して軽く風を通すだけでも随分と違います。
季節に合わせて、よく着る着物を上に、しばらく着ない着物を下に・・・と入れ換えるだけで空気を通せますし、「あ、この着物今度着ようかな」など、着物を着る気持ちにもなりますしね^^

ただし、衣装ケースを使用する場合に気を付けなくてはいけないことは
・ヤケ対策は必ず!!(蛍光灯の光でもヤケます。ヤケ対策はしっかりと!)
・着物に変なシワがつかないサイズのものにする
・汚れた着物はお手入れしてからしまう
・定期的に空気を通す

ということです。

また、ウールの着物と正絹の着物は一緒にしまわないこと。
実は、意外なほどに、正絹の着物のみで保管していて虫に食われたことをほとんど見かけません。
虫食いの被害に遭うのは、汚れた着物をお手入れせずに長くしまっておいた場合か、ウールなどの着物と一緒に保管しておいた場合がほとんどです。
着た後のお手入れをきちんとして、上記のことを気を付けておけば、衣装ケースでの保管でも問題はありません。
私はもう10年以上この方法で保管していますが、ヤケも虫食いにも遭ったことがありません。

衣装ケースなら積み重ねてしまいやすいですし、手に入りやすいですね。
最近はスタックしていける桐のケースや箪笥もありますので、余裕のあるときに少しずつ桐箪笥を買い足して、大切にしたいものから移していく・・・というのも良いと思います^^

防虫剤はにおいが苦手、という方には防虫効果のある香もありますし、昔のようにくさいくさい樟脳を入れる必要もありません。
無臭の防虫剤もありますしね。

とりあえず、今からやれることは!!
大切に大切に包んでいる、しみだらけのたとう紙は危険です!!即刻捨てて、着物の状態を確認しましょう!