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2023/10/31 13:24

きじばとや店主イイダです。


しまったーー!!!夏のはじめに書いたブログをアップするのを忘れておりました。
もう、時すでに遅し感がすごいのですが・・・正絹に関する大切な情報を書いておりましたので、季節感無視でアップしてしまいます。

すみませんっ!!
以下、初夏の気分(無理がありすぎる)でお読みください・・・・・・。

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コロナ禍も一息つき、少しずつ日常が戻りつつありますが。
思わぬところに影響がありました。

今年のきじばとやの夏の棚をご覧になってお気づきになられた方もいらっしゃるかと思いますが、

・お手頃価格帯の浴衣が増えた
・ポリエステル混の夏帯が登場

という変化がありました。

まず浴衣ですが、ここ数年、コロナ禍の影響で浴衣が売れず、メーカーさんは非常に苦しかったようです。生産を止めた工場、あるいは工場自体を閉めてしまったメーカーさんも多く、ここ数年は新作もなかなか出ない状況にありました。
今年はやっと浴衣が売れるかなという感じですが、これまで私が気に入って仕入れていたメーカーさんは、どうやら生産をストップされたようです。閉めたのか、あるいは休んでいるだけなのかは不明です。
手に取りやすい価格帯にシフトしたメーカーさんも多いようで、今年のきじばとやの夏の浴衣のラインナップはお手頃価格が多くなりました。
その中でも素敵なものを集めてきましたので、むしろ「気軽に着られる浴衣を増やす」きっかけにはなったかなと思います。
(お高いものは相変わらずちゃんとお高いお店で販売されていますのでご安心ください 笑)
 
 
次に絹のお話です。

あまり知られていないことですが、実は国内で流通している絹のうち、国内の絹はほんの数パーセントなのだそうです。
「〇〇ちりめん」「〇〇織り」となっていても、実は使われている絹は海外産のものです。
内容も様々で、養蚕~絹になるところが海外であったり、染めまで海外で行われていたりなど、様々です。
コロナ禍の影響で、それらの生産や工程がストップし、あるいはそのまま閉業となったところも多く、今は世界的に絹が不足しており、やっとつくられた絹も、そのほとんどがヨーロッパ向けになってしまうそうで、日本向けの絹は非常に不足しています。

先日新品のものを仕入れに行きましたが、これまできじばとやで扱っていた正絹の博多半幅帯は、もうつくっていないと言われました。
それに代わって、ポリエステル混の博多半幅帯が登場してきましたが、これが意外なほどに出来が良く!
色柄よし、手触りよしで、ちょっとポリエステル混の認識が変わりました。
が、それでも十分お高いのです(汗)
これまで正絹100%で仕入れていたものよりお高くなってしまったので、ちょっと仕入れることができなかったのですが、あれはもしかしたら、今後価格がこなれてさえくれれば、いい変化のひとつになるのかもしれません。

正絹の帯が仕入れられなかったので、今年はポリエステル半幅帯を多めに仕入れましたが、これまた今年の半幅帯の出来が良く!
いい色柄のものがたくさん見つかりました。
現代帯は長尺なので変わり結びもしやすく、お手頃に入手できて使いやすく、夏のおでかけにはとても良いと思います。


コロナ禍でいろんなことがありましたが、悪いことばかりでもなく、良いきっかけになりそうなこともありました。
お手頃で素敵な浴衣がつくられるようになったこと。
絹が足りなくても、素敵なものを織れることがわかったこと。
ポリエステル帯の色柄などに素敵なものが増えたこと。

逆境に屈せず対応してくれたメーカーさん、織り元さん、様々な業界の皆様方の努力で、新しい変化が起きた気がします。
伝統文化だけれども、それは変化をしないということではないですよね。
そのときそのとき起きたことに対して変化をし続けたからこそ、残った文化です。
今回のことをきっかけに、着物文化にも何らかの良い変化が起きるかもしれないなと、私は期待しています。

新しいもの、自由な心で認めて、受け入れて、好きなものを増やしていけたらいいですね。