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2023/12/25 22:09

私事になってしまい申し訳ありませんが、今回は非常に個人的なことを書かせていただこうと思います。


よく質問されることのひとつに「何がきっかけで着物を着るようになったんですか?」ということをよく聞かれます。
きっかけはひとつではなく、いくつものことが連鎖したり影響したりなのですが、一番大きなきっかけとなったのは、母と祖母から浴衣をもらったことでしょうか。
夏場の仕事でもよく着ていますし、ブログにも画像をアップしている、お気に入りの浴衣たちです。

最初は某デパートで買った浴衣姿の画像をメールで送ったところ、祖母と母から「自分で着られるようになったのなら、これも着て」と浴衣が送られてきたのです。私が生まれる前に、祖母が作家さんのところで選んだ藍染の絞りの鹿の子と、私が子供の頃に母が誂えた獅子毛の絞り。どちらもとても素敵なものだったので、「これはちゃんと着られるようになりたい」と思い、きちんと教室に通うことにしたのがきっかけです。

母も祖母も、私とは身長も体格も違いますので、譲られたものたちは、本来私が着られるサイズではありません。それをさらに「きれいに着る」ためには工夫が必要でした。
「着られるようになりたい」から、せっかくならば「きれいに着たい」、という思いから着付けのお稽古を続け、・・・いずれそれが仕事になり・・・紆余曲折ありながら、今に至ります。

それまでは「誰でも着られる!着付けの基本」みたいな本で我流で着ていた「着ることができる」という状態を、「きれいに着る」という方向にシフトできたのは、母と祖母から譲られた浴衣や着物があったからです。

そして。


4年前の夏に、母を見送りました。
そして今年の秋に、祖母を見送りました。

今生ではもう二人とは会えませんが、母と祖母が残してくれたものは、確かに私の中に残り、繋がっています。
とても不思議なのですが、身長も身幅も全然違う状態から、さらに私はかなり太ってしまったのですが、母と祖母から譲られた浴衣だけは、今でもしっくりと私の体に馴染みます。
本当に誂えたかのように。



非常に個人的なお話をしてしまいましたが、祖母を見送ったこの秋は、私にとってもひとつの区切りとなる季節でした。
きじばとやは来年のお正月で8周年を迎えます。当初、ここまで来られるとは思ってもいませんでした。1年後はどうしているだろう。2年後なんて想像もつかない。3年後?まさか!!そう思いつつ、今日まで来ました。
低空飛行で不安定で、飛ぶのがやっとではありますが、これからも、きっかけをくれた母と祖母に恥ずかしくないよう、誠実に、ひとつひとつ、きちんと積み重ねていきたいなと、改めて思いました。

非常に個人的なお話をいたしました。
そんなわけで、かあちゃんとばっちゃんの名にかけて、きじばとやで悪辣なことはできないイイダです。何かありましても決して悪意はございません。どうぞ優しく厳しく、ご指摘くださいませ<(_ _)>

今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします!(↓ばあちゃんの浴衣です)