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2025/10/20 13:36

きじばとや店主イイダです。

今年の単衣、全てWebshopに掲載完了いたしました!
今年は単衣の当たり年でした。
去年は数点しか入荷できず、「もう今後単衣は手に入らないのかも」とすら覚悟しましたが、今年はたくさん!しかも大島、結城、みさやま紬、琉球絣などなどの、なかなか入荷できないものたちも多く、一番人気の塩沢紬も何枚も入り、ほっとしました。
実店舗で先に売れてしまい、Webshopの方にご紹介できなかったものたちもありますが、まだまだ素敵な単衣はきじばとやの棚に並んでおります。

日本はどんどん暑くなり、単衣が必要な時期も長くなってきたと思います。
これまでは、5月6月、9月10月・・・とされていた単衣でしたが、正直もう全然季節感は違いますよね・・・。
 
ちなみにわたくしイイダはこんな感じです。
3月:基本は袷、暖かくて気温の高い日は結城などのほっこり系の単衣も
4月:もう単衣じゃないと無理
5月:単衣(だんだんと木綿やウール率が増える)
6月:単衣、気温により夏物登場
7~8月:夏物、浴衣
9月:前半は木綿の単衣、後半は正絹やウールの単衣も
10月:単衣
11月:気温によっては前半も単衣(主に結城などのほっこり系単衣)、後半は袷

よく、「着物は季節感が大切」と言います。それは本当にその通りだとは思いますが、あくまでも「今の時代の季節」に合わせないと本末転倒。
5月の、みんなが半袖で歩いているような暑い日に「まだ袷の時期だから!」と、髪の毛もぐしょぐしょになるほどに汗だらだらでいられると、そばにいる人も見ていられないし、具合が悪くならないかと気が気ではありません。見ていて暑苦しいのは、結局季節感とは逆行してますよね・・・。

バスや電車で着物姿の方とお隣の席になったりすると、お話を伺ったりするのですが。
着物を着慣れた年配のお姉さま方たちは「あらー、私は暑がりだから、年中、単衣を着てるわ!だってお店とかだと冬は暖房が効いて暑いくらいだし。紬やウールの単衣なら自宅で手入れできるし、結城の単衣なんて年中着られるから便利よね~」とおっしゃる方が多いです。

暑い寒いは体調に直結します。変化してゆく気候にどのように対処するかは人それぞれ。
そもそも、変化の激しい今の気候に対応する「その季節に合った着物」も全然対応できていない以上、現実に対応していない決まりごとに縛られる必要もないと思うのです。
そういうのは礼装のときだけで良くて、それ以外は「それぞれよね」で良いんじゃないかなと思います。
「でも、そういうのは粋じゃないわ!」と思うのも、人それぞれ。そう思う人は、ご自分の可能な範囲で、粋を追求されると良いのです。
お互いに気持ちよく、着物を楽しみたいですよね。
 
ということで、単衣の季節はまだまだ続きます。
一期一会の出会いを、お見逃しのないようにです!